ハウツーガイド
共有したデザインファイルを開いたユーザーを確認する方法

デザインのハンドオフ(受け渡し)が1人だけで完結することはめったにありません。クライアントには最終的なロゴパッケージが届き、開発者には書き出された画面やアイコン、印刷会社には入稿用PDF、そしてマーケティング責任者にはブランドガイドラインが渡されます。古いロゴが使われ続けたことでローンチ日が遅れた場合、真っ先に生じる疑問は、相手がそもそも送付したファイルを開いたのかどうかということです。
このガイドでは、デザイナーや代理店が普段どのようにデザインファイルを共有しているのか、誰がファイルを開いたかの追跡が難しくなる原因、そしてFabricから受信者ごとに個別の名前付きリンクを作成してデザインフォルダーを公開し、各リンクのアクセス状況から誰がハンドオフを確認したかを把握する方法について解説します。
デザイナーが普段クライアントや共同作業者とファイルを共有する方法
小規模なハンドオフでは、zipファイルや数枚のPNGを添付したメールが今でも一般的です。手軽ではありますが、バージョンの混乱を招きがちです。修正が3巡する頃には、クライアントの受信トレイには「final」と名付けられたロゴが4つ並び、どれが使用されているのか分からなくなります。
WeTransferなどのサービスはより大容量のパッケージを扱え、ファイルがダウンロードされた際に通知を受け取ることができます。しかしフィードバックの仕組みはなく、リンクには有効期限があり、修正のたびに新しい転送が必要になります。Frame.ioのようなレビューツールは動画のレビューには適しており、制作チーム向けの価格設定になっているため、ロゴパッケージやWebモックアップのセットを共有するにはオーバースペックな選択肢となります。
Figmaのリンクは、デザイン内で作業する共同作業者にとって理想的です。一方、クライアントや印刷会社は、ライブキャンバスではなく書き出された固定ファイルを必要とすることが多く、通常はそのためにDropboxやGoogleドライブの共有フォルダーが使われます。しかし、1つのフォルダーリンクを複数人に送るとアクティビティが合算されてしまうため、印刷会社が開いたのか、それともクライアントだけが開いたのかを判別するのは困難です。
ステップ1:納品物をフォルダーにまとめる
ハンドオフ用のフォルダー(例:「Northwindリブランディング_最終アセット」)を作成し、書き出しデータ、PDF、その他受信者が必要とするすべてのファイルを追加します。FabricデスクトップアプリはFabricをドライブとしてマウントするため、デザインツールからフォルダーへ直接書き出すことができます。ファイルは開いたときにストリーミングされるため、PCの容量を消費しません。
Fabricは画像からカラーや視覚的コンテンツを抽出するため、後からカラー検索を行ったり、1つの画像を選択して類似検索を実行したりすることでアセットを見つけることができます。ブランドアセットの管理方法では、複数のプロジェクトにわたってクライアントのアセットを整理しておく方法を解説しています。
開発者向けのSVGや印刷会社向けの入稿用PDFなど、受信者によって異なるフォーマットが必要な場合は、セットごとにサブフォルダーを作成してください。サブフォルダー単体で公開できるため、各リンクにはその人が必要とするファイルのみを表示させることができます。デザインファイル形式の解説では、どの作業にどのフォーマットが適しているかを説明しています。
ステップ2:受信者ごとにリンクを公開する
「共有」をクリックし、「公開」タブを開いて「リンクを作成」をクリックします。フォルダーはWebページとして公開されるため、受信者はアセットが一覧でレイアウトされた状態で確認できます。受信者に合わせた名前をリンクに付け(例:「クライアント_Northwind」または「開発_Kestrel Studio」)、「エンゲージメントアナリティクスを収集」を有効にします。関係者ごとにリンクを作成してください。すべての公開リンクは独自の設定を持ち、個別のアクセス履歴を保持します。
アナリティクスはリンクごとのアクセス数を記録し、訪問者の名前は記録しないため、個別に名前を付けたリンクを作成することで、開発者のアクセスと印刷会社のアクセスを区別できます。リンクアナリティクスはProプランおよびTeamプランでご利用いただけます。
ステップ3:各リンクの設定を受信者に合わせる
設定はリンクごとに個別で行えるため、開発者や印刷会社のリンクではダウンロードを許可し、デザインの方向性を確認するだけの関係者には閲覧専用リンクを渡すことができます。未公開の作品については、「検索エンジンによるインデックス登録を許可」をオフにします。情報解禁前のリブランディング案件の場合は、フォルダーを右クリックして「パスワード保護を追加」を選択することで、ProまたはTeamでパスワードを設定できます。パスワード保護は後からフォルダーに追加されたファイルにも適用され、再設定はできないため、パスワードは安全に保管してください。
元のフォルダーに加えられた変更は、公開ページに自動で反映されます。修正対応でロゴを差し替えた場合も、各受信者のリンクには新しいファイルが表示されるため、メールで改めてファイルを添付し直す手間や、古いバージョンが使われてしまうリスクを回避できます。
ステップ4:ハンドオフを誰が開いたか確認する
各リンクには、アクセスの日時、訪問者の場所やデバイスを含む、時系列のトラフィックグラフが個別に用意されています。リンクアナリティクスを使えば、クライアント、開発者、印刷会社のリンクを並べて比較することができます。
これにより、ローンチ前に状況を把握しやすくなります。印刷会社用のリンクに送信翌朝のデスクトップからのアクセスがあれば、ファイルは無事に届いています。開発着手の2日前になっても開発者用リンクにアクセスがなければ、今すぐ一言確認を入れることで後々の遅延を防ぐことができます。同様の確認は修正後にも役立ちます。ファイルを差し替えた後にクライアントのリンクに新たなアクセスがあれば、更新内容を確認したと判断できます。
ステップ5:共有リンクを通じてフィードバックを収集する
公開リンクは閲覧専用であり、コメントはできません。レビューを行う場合は、クライアントを「コメント権限」でフォルダーに招待して共有します。画像上では、デザインに直接描画してその描画にコメントを添付することができ、PDFやテキストファイルではハイライトしてコメントを残せます。アノテーションページに、画像やドキュメントでの具体的な使用例を掲載しています。
各コメントは完了としてマークできるため、一連の修正作業をチェックリストのように進めることができます。クライアントからのフィードバックを完了としてマークする方法で、そのワークフローを詳しく解説しています。
よくある質問
クライアントが送付したデザインファイルを開いたかどうかを確認するにはどうすればよいですか?
Fabricからクライアントの名前を付けたリンクでファイルを公開し、「エンゲージメントアナリティクスを収集」を有効にします。そのリンクへのアクセス状況から、日時、場所、デバイスを確認できます。
デザインファイルのフォルダー全体を追跡できますか?
はい。フォルダーを公開すると、独自のリンクとアナリティクスを備えたWebページになります。
開発者にはアセットのダウンロードを許可し、クライアントのリンクは閲覧専用にすることはできますか?
はい。「ダウンロードを許可」はリンクごとに設定できるため、受信者ごとに異なる設定が可能です。
クライアントはデザインに直接コメントできますか?
コメント権限を持つ共有リンクであれば、画像上に描画してコメントを添付できます。公開リンクではコメントはサポートされていません。
デザインを更新するとリンクはどうなりますか?
Fabric内の元データに対する変更は公開バージョンに自動反映され、リンクのURLは変わりません。
受信者はFabricのアカウントが必要ですか?
いいえ。公開リンクはブラウザで開くことができ、共有リンクもアカウント登録なしで利用できます。
後から色を指定してアセットを検索できますか?
はい。HEXコードやカラーピッカーを使用したカラー検索や、画像を選択して類似検索を実行することができます。
デザインファイルの追跡を行うには、制作会社はどのプランが必要ですか?
リンクアナリティクスとパスワード保護はProプランおよびTeamプランで利用できます。Teamプランの価格はシート(ユーザー)ごとの課金ではありません。詳細はチーム向けプランをご覧ください。