ハウツーガイド

PDFとチャットする方法


電話会議の前日に届いた60ページに及ぶサプライヤーとの契約書。本当に重要な確認事項は、いつ更新されるのか、解約にはどれくらいの事前通知が必要か、そして納品に不手際があった場合の責任は誰が負うのか、という点だけです。全体に目を通すのが確実な選択肢ですが、それぞれの回答の根拠となった箇所が確認できるのであれば、ドキュメントに直接質問する方が迅速です。

本ガイドでは、PDFとチャットするための一般的な方法やそのデメリット、そしてPDFをライブラリに保存したまま、AIアシスタントがファイルへの参照元付きで回答してくれるFabricでの活用方法について解説します。



一般的なPDFとのチャット方法

最も一般的な方法は、ファイルをChatGPT、Claude、またはGeminiにアップロードして質問を始めることです。1つのドキュメントをその場限りで確認するだけなら、これで十分機能します。しかし、PDFはそのチャット内にしか存在しないため、翌週に質問したい場合は過去のチャットを探すかファイルを再アップロードする必要があり、別のドキュメントと比較するには同じスレッドに両方を添付しなければなりません。

PDFチャット専用のウェブサイトも同様のアプローチですが、より用途が絞られています。手軽に試すことができ、数ファイル程度なら無料で利用できることもよくあります。ただし、他のファイルが保管されている場所とは別に、ドキュメントの置き場所がもう1つ増えてしまうことになります。

そして手動の方法もあります。Ctrl+Fでのキーワード検索、蛍光ペンでのハイライト、関連していそうなセクションの拾い読みです。条項番号のような完全一致する文言を探すには確実ですが、質問の言い回しがドキュメントの記述と異なる場合(例えば、PDFには「任意解約(termination for convenience)」と記載されているのに「契約の解除方法」と探すような場合)には対応が難しくなります。

AIツールがドキュメントを読み込む際にどのような処理が行われているかについての基礎知識は、LLMによるファイル活用の仕組みでそのメカニズムを解説しています。



ステップ1:FabricにPDFを追加する

FabricのウェブアプリまたはデスクトップアプリにPDFをドラッグするか、貼り付けるか、「ファイルをアップロード」をクリックします。スマートフォンでは、PDFを開いているアプリで「共有」をタップしてFabricを選択します。モバイルアプリはiOSとAndroid向けに提供されています。メールの添付ファイルとして届いたPDFは、ダウンロードしてからアップロードする代わりに、専用のFabricメールアドレスに転送することもできます。

取り込まれると、FabricがPDF内のテキストを読み取り、簡潔な要約を作成した上で、検索やアシスタントが意味に基づいて関連箇所を照合できるように埋め込み(embeddings)を生成します。質問する前にPDFにタグを付けたり整理したりする必要はありません。



ステップ2:アシスタントの対象を適切なドキュメントに絞り込む

AIアシスタントの参照範囲はフォルダーに限定できます。フォルダーを開いてアシスタントを起動すると、自動的にそのフォルダー内のコンテンツのみに限定されます。1つの契約書の場合、そのPDF(および付属書類や修正条項)を入れたフォルダーを作成しておくことで、適切な書類に絞って回答を得ることができます。

フォルダーを開く手順を省略することも可能です。フォルダーを右クリックしてアシスタントのコンテキストに追加するだけでも、同じ効果が得られます。これは、Fabricで他の作業をしている最中に、その画面を離れることなく一連の書類について質問したい場合に便利です。

対象を絞り込まずにおくと、アシスタントはFabric全体および連携しているすべてのアプリを対象に検索します。「2025年の値上げについて言及しているPDFはどれ?」といった、どのファイルに回答があるかまだ分からない質問に適しています。



ステップ3:質問をして引用元を確認する

そのドキュメントを読んだ同僚に聞くのと同じように質問を入力してください。「本契約を解除するための通知期間は?」「第4条を平易な言葉で説明して」のどちらでも機能します。アシスタントはPDFに基づいて回答し、クリック可能な参照リンクとして情報源を明記するため、参照された箇所を開いて元の文言を確認できます。仕組みの詳細については、ドキュメントチャットのページをご覧ください。

追加の質問をしても、会話の流れは維持されます。通知期間について尋ねた後、どの契約書かを再度指定しなくても「1年後にその期間は変更されますか?」と続けることができます。賃貸借契約書や保険証券、医療診断書など、正確な表現が重要なドキュメントの場合は、回答を該当箇所を見つけるための手がかりとして扱い、判断を下す前に必ず元の記述を確認してください。

回答に使用するモデルを選択することもできます。1つのFabricサブスクリプションで、Gemini、OpenAI、Claude、DeepSeek、Grok、Qwenなどの主要なモデルを幅広くカバーしているため、回答が難しい質問は別のモデルに尋ねて比較することも可能です。



ステップ4:回答をPDFと一緒に保存する

回答はノートとして保存できるため、契約の重要な期日一覧を元となったPDFのすぐ隣に保管できます。また、PDF自体にハイライトやコメントを付けることもできるため、アシスタントが提示した条項に印を付けておくのにも役立ちます。

後で正確なフレーズが必要になったときは、検索機能がPDF内のテキストを読み取り、該当する正確なページを開いてくれます。参照番号や定義された用語を検索する場合は、フレーズを二重引用符(クォーテーション)で囲んで完全一致検索を行うと便利です。

AIアシスタントは無料プランでも制限付きで利用でき、より頻繁に利用するには有料プランが必要です。各プランに含まれる内容については、料金ページに記載されています。



よくある質問

無料でPDFとチャットできますか?

はい。無料プランにはファイルのアップロードと制限付きのAI利用が含まれているため、PDFを追加してアシスタントに質問できます。AIをより多く利用するには有料プランが必要です。

複数のPDFと同時にチャットするにはどうすればいいですか?

複数のPDFを1つのフォルダーに入れ、そのフォルダーを開いてからアシスタントを起動してください。対象がそのフォルダーに限定され、フォルダー内のすべてが分析されるため、1つのスレッド内でドキュメント同士を比較できます。

AIは回答の根拠となった箇所を表示しますか?

はい。回答にはクリック可能な参照リンクとして情報源が示されるため、ドキュメントを開いてご自身で文言を確認できます。

同じPDFについて続けて質問できますか?

はい。アシスタントは会話の文脈を保持するため、ドキュメント名を繰り返さなくても前の回答を踏まえた追加質問が可能です。

FabricはPDFに関する質問への回答にどのAIモデルを使用していますか?

ご自身で選択できます。1つのサブスクリプションで、Gemini、OpenAI、Claude、DeepSeek、Grok、Qwenなどのモデルを利用できます。

AIはスキャンされたPDFを読み取ることができますか?

Fabricは、撮影されたテキストを含むPDFや画像内のテキストを読み取るため、スキャンしたページも検索可能になり、アシスタントでも参照できます。詳しくは、スキャンしたドキュメントを検索する方法をご覧ください。

質問するたびに毎回PDFを再アップロードする必要がありますか?

いいえ。PDFはFabricライブラリに保存されたままになるため、翌週でも翌年でもアシスタントを開いて、前回の続きから作業を再開できます。

ChatGPTやClaudeはFabricに保管されているPDFを読み取ることができますか?

はい。Fabric MCPサーバー経由で接続すれば、Fabric内を検索してファイル内容を読み取ることができます。サインインにはOAuthを使用するため、APIキーの管理は不要です。

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